株式会社こどもの森の見守る保育とは?子どもの成長を支える大人の待つ力
株式会社こどもの森は、関東を中心に保育園、学童保育所、児童館などを展開する保育事業者です。こどもの森が保育の中で大切にしている考え方の一つに、子どもが本来持っている育つ力を尊重する姿勢があります。
私が住んでいる目黒区にも児童館があり、子育ての際利用していた場所だったため、今回記事として取り上げてみました!
子どもが困っていると、大人はすぐに手を貸したくなるものです。早く正しい方法を教えたほうが、失敗せずに済むようにも感じられます。しかし、大人が先回りして答えを示し続けると、子どもが自分で考えたり、方法を変えたりする機会が少なくなる可能性があります。
今回は、株式会社こどもの森の保育方針を参考に、子どもを見守ることの意味と、大人が待つ時間の大切さについて考えます。
こどもの森が考える見守る保育
見守る保育とは、子どもを離れた場所から眺め、自由にさせることではありません。安全を確保しながら、子どもの表情や行動を丁寧に観察し、必要な場面で適切に支える関わり方です。
株式会社こどもの森では、大人の指示に沿って全員が同じ行動をすることだけを求めず、一人ひとりの違いを認める保育を重視しています。子どもが何に関心を持っているのか、どこで迷っているのかを捉え、自分で考える時間を残しながら援助します。
手を貸す時期が早すぎれば、子ども自身が試す機会を奪ってしまいます。一方、支援が必要な状態で関わらなければ、不安や危険につながります。見守る保育には、子どもとの距離を細かく調整する力が求められます。
失敗する時間にも学びがある
積み木を高く積もうとして、何度も崩している子どもがいるとします。大人が安定する積み方を教えれば、作品は早く完成するでしょう。しかし、子どもが自分で積み木の向きを変え、土台を広げようとしているのであれば、その途中に多くの学びがあります。
思ったとおりにならなかった原因を考え、別の方法を試す経験は、工夫する力や粘り強さにつながります。完成したかどうかだけでなく、どのように取り組んだのかを見ることが大切です。
こどもの森が重視するのも、知識を一方的に教えることだけではなく、遊びや生活を通して子どもの意欲や自信を育てることです。自分で試した結果としてできた経験は、大人に方法を示されて完成した場合とは異なる達成感をもたらします。
うまくいかなかった時間を無駄と捉えず、成長の過程として受け止めることが、子どもの挑戦を支えます。
待つことと放置することの違い
子どもの自主性を尊重するという言葉は、ときに自由にさせることと混同されます。しかし、見守ることと放置することには明確な違いがあります。
見守っている大人は、子どもが何をしようとしているのかを理解しようとします。危険がないかを確認し、表情や声から気持ちの変化を読み取ります。すぐに介入しない場合でも、必要になれば支えられる位置にいます。
株式会社こどもの森では、乳児期にできるだけ少人数で過ごせるよう配慮し、子どもと保育者との安定した関係を大切にしています。人への信頼が育つことで、子どもは安心して周囲に興味を広げられるようになるからです。
大人が見てくれているという安心感があるからこそ、子どもは自分でやってみようと思えます。見守る保育は、子どもを一人にする方法ではなく、安心できる関係を土台として挑戦を支えるものです。
友だちとのすれ違いをすぐに終わらせない
保育園では、同じ玩具を使いたい、遊ぶ順番を譲りたくないといったすれ違いが起こります。大人がすぐに勝ち負けや順番を決めれば、その場を早く収めることはできます。
一方で、子ども同士が互いの気持ちに気づく機会は少なくなります。自分が何をしたかったのかを伝え、相手にも別の思いがあると知ることは、人と関わる力を育てる経験です。
まだ十分に言葉を使えない子どもには、大人が気持ちを代弁することも必要です。ただし、最初から解決策を押しつけるのではなく、どうすれば一緒に遊べるのか、次はどうしたいのかを考えられるよう支えます。
こどもの森が取り入れている異年齢児保育でも、年齢や発達の異なる子ども同士が関わります。年上の子が年下の子を助けたり、年下の子が年上の姿を見て挑戦したりする中で、思いやりや自信が育っていきます。
自分で選べる環境が主体性を育てる
子どもに選択を求めても、選べる環境がなければ主体的には動けません。株式会社こどもの森では、さまざまな遊びのコーナーを設け、子どもが興味に応じて活動を選べる環境づくりを行っています。
絵本を読みたい子もいれば、造形やごっこ遊びに集中したい子もいます。それぞれが自分の関心に沿って行動することで、遊びに深く関わりやすくなります。
ただし、希望どおりの遊びが必ずできるわけではありません。使える道具や人数に限りがあれば、待つことや別の選択をすることも必要です。そうした場面では、自分の気持ちを調整し、周囲の状況を考える経験が生まれます。
大人が選択肢を用意し、子どもが決める時間を確保することが、主体性を育てる環境につながります。
家庭でも取り入れられる見守る姿勢
株式会社こどもの森の見守る保育は、家庭で子どもと関わる際にも参考になります。
着替えや片づけに時間がかかると、大人が代わりに済ませたくなることがあります。しかし、急ぐ必要がない場面では、子どもがどこまで自分でできるかを待ってみることも一つの方法です。
失敗したときも、すぐに正解を伝えるのではなく、次はどうしたいかを尋ねることで、子どもが考えるきっかけをつくれます。言葉で答えられない場合は、複数の方法を示し、本人に選んでもらう関わり方もできます。
もちろん、安全に関わる場面や、子どもが強い不安を感じている場面では、早めの援助が必要です。大切なのは、何でも一人でさせることではなく、その子が今どのような支えを必要としているのかを考えることです。
子どもの未来につながる大人の関わり
子どもの成長は、何かができるようになった瞬間だけに表れるものではありません。うまくいかなくても方法を変えたことや、友だちの気持ちに気づいたこと、昨日は避けていた活動に近づいてみたことにも成長があります。
株式会社こどもの森が大切にする見守る保育から見えてくるのは、大人が子どもの行動をすべて整えるのではなく、挑戦の過程を受け止めることの重要性です。
安心できる人がそばにいて、自分の力で試す時間がある。その積み重ねが、自信や意欲、考える力につながっていきます。
子どもを待つことには、大人側の余裕や観察する力も必要です。それでも、すぐに答えを示さず、その子が動き出す瞬間を信じることは、将来自分で選び、自分で考えて進む力を育てる大切な関わり方といえるでしょう。



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